
妊娠初期に多くの人がつらい思いをするのが、つわりです。主に妊娠初期におこる特有の症状なのですが、つわりを乗り切るのは本当に大変です。未だに「つわりは精神的なものだ」という人もいます。きちんとつわりと向き合って、つわりについての知識をもっておきましょう。
妊娠すると、吐き気やムカムカなど消化器官系を中心とした症状を「つわり」といい、妊婦さんの80%がつわりを経験しています。つわりは、妊娠初期の4〜6週頃から始まり、11〜12週頃に終わるのが一般的です。早い人であれば、つわりで自分の妊娠に気づくという人もいるのです。
安定期に入る頃にはつわりはおさまっていくのですが、人によっては出産直前までずっとつわりが続く人もいて、とても個人差があります。また、つわりがひどく日常生活ができなくなるような状態を「妊娠悪阻」といい、入院することもあります。
実は、つわりがおこる原因はまだはっきりとしていませんが、いくつかの説があります。
ホルモンバランスの変化
つわりがおこる原因の一番有力な説です。黄体ホルモンや妊娠ホルモンであるhCGが大量に分泌されることによって、急激に身体が変化するのですが、それに身体がついていけないとつわりがおこるといわれています。
自律神経バランスの混乱
妊娠することで、急激な身体の変化に自律神経のバランスが混乱してしまい、一時的な自律神経失調症になっているためにつわりがおこるという説もあります。
精神的ストレス
つわりは精神面が全てだといわれていた時代もありました。全てではありませんが、やはりストレスはつわりにも影響するようです。妊娠や出産に対する不安や、環境の変化などがストレスになるとつわりがひどくなることもあります。
赤ちゃんを異物と感じるため
妊娠初期は、まだ胎盤が成熟していませんし赤ちゃんもとても小さい状態です。ママとなる身体が赤ちゃんをちゃんと認識できずに『異物』と判断してしまい、拒否反応をおこしたアレルギー反応がつわりという説もあるのです。
つわりは、人によってかなり違うように症状もさまざまです。その中でも代表的なつわりの症状を紹介しておきましょう。
| 吐き気・嘔吐 | つわりを経験した人の中でも、最も多いのが吐き気と嘔吐です。つわりがある妊婦さんのうち、90%の人が吐き気や嘔吐を経験しているのです。嘔吐がひどい場合は、水分摂取もできなくなり脱水症状を起こしてしまうこともあります。 |
| 胃もたれ・ムカつき | 一日中、二日酔いのときのような胃もたれや胸のムカつきがあり、ムカムカモヤモヤした状態が続きます。ひどい人は胃が痛くなることもあります。 |
| 唾液過多 | 唾液がいつも多くて、口から出さずにはいられない人もいるほどです。症状が軽いと飴をなめたりガムを噛んだりすることでごまかすこともできますが、多くなってくると吐き出すしかありません。また、唾液が粘着性をもっていることもあり、自分の唾液を飲み込めずに気持ち悪くなってしまう場合もあります。 |
| におい | つわり中は、においに対してとても敏感になります。妊娠前であれば平気だった生活のにおいはもちろん、ご飯の炊けるにおい、芳香剤、お風呂や台所の湯気も気持ち悪くなってしまいます。 |
| 眠気 | 眠気の度合いも個人差がありますが、12時間以上眠ってもまだ眠い、車の運転中に眠くなるといった症状の人もいます。妊娠前よりも「眠い」と感じることが多くなります。 |
| 頭痛・微熱 | 疲れているときや嘔吐した後などに頭痛がしたり、微熱が続いたりすることがあります。妊娠中は簡単に薬を飲むことができないこともあり、痛みに耐えることになります。医師に相談すると薬を処方されるときもあります。 |
| 好みの変化 | これまで好きだった食べ物が一切食べられなくなったり、逆に食べられなかったものが食べられるようになったりします。また、1種類のものしか受け付けなくなることもあります。 |
| 食べ物 | 『食べづわり』という言葉があるように、常に胃に入っていないと気持ち悪くなる人もいますし、逆に食べ物を見るだけで吐き気がする人もいます。 |
| 便秘・下痢 | ホルモンバランスの変化のために便秘になってしまう妊婦さんは多くいて、便秘が続くとつわりがひどくなることが多いです。逆に下痢気味になる妊婦さんもいます。 |
| 体調不良 | 疲れやすくなり、首や肩がこってしまうなど、とにかく身体がだるく体調が悪くなることもあります。 |
| イライラ | 今まで気にならなかったようなことでイライラしたり、不安になったりとストレスを感じやすくなります。 |
つわりがひどくなってくると、「妊娠悪阻」と診断されて入院することもあります。あまりにひどくなる前に、このような場合は病院で診察してもらいましょう。
- 1日何十回も嘔吐してしまい、脱水症状になっている。
- 妊娠前よりも体重が5kg以上減ってしまった。(もともと痩せている人は3kg以上)
- 3日以上、食事ができずにいる。
- トイレの回数が急激に減ってしまった。
あまりに我慢し過ぎると、あなただけでなく赤ちゃんにも影響が出てしまいます。無理せずに病院で診察してもらいましょうね。
つわりは安定期に入れば楽になるもの、と言われてもできるだけ軽くしたいですよね。つわりの症状は個人差が大きいので「つわりが良くなる方法はこれ!」というはっきりしたものはありません。つわりが少しでも軽くなる方法を試してみてくださいね。
生活習慣を見直す
妊娠初期は、おなかも目立っていませんからこれまでの生活を同じように過ごそうとしてしまいがちです。ですが、身体は赤ちゃんを出産するためにどんどん変化しています。不健康な食生活や夜更かし、これまでと同じ時間の労働などはママの身体に大きな負担になってしまいます。生活習慣を見直して、ゆとりをもった生活習慣に変更してみましょう。
実家に帰省する
精神的な不安やストレスがある時は、実家に帰省して気分転換をするとよいでしょう。実際に実家で過ごすようになってから、つわりが軽くなって体調が良くなるという人も多くいるんですよ。
いつも食べられるようにしておく
普段吐き気があっても、体調によっては少しだけ食事ができることがあります。すぐに食べられるように、軽食を用意しておくとよいでしょう。スープや飲み物など水分も一緒に摂取できるようにしておいてくださいね。このとき、においで気持ち悪くならないように、温めていない食事の方がオススメです。
気分転換をする
つわりで具合が悪いからといって、家の中に閉じこもっていては気持ちがめいってしまいます。外の空気を吸うために家の周辺をちょっと散歩したり、外でお茶を飲んでみたりと気分転換をすると、楽になることも多いですよ。
つわりは、ずっと続くものではありません。安定期に入るまでは苦しくて辛いのですが、それは赤ちゃんが元気という証拠でもあります。あなたの身体がママへと変化していく時期ですから、決して無理をせずにゆとりをもって過ごしてくださいね。
