昔は腹帯をきつく締めないと赤ちゃんの位置がずれると言われてきました。最近では病院で腹帯を勧めない病院も出てきました。現在はファッション性を取り入れた腹帯が人気です。苦しいと思ったら無理につける必要はありませんし、あせもやかぶれてまでつける必要もありません。でも、お腹が大きくなってくると、つけた方が楽になることもあるようです。ですから、戌の日にこだわらなくても、お祝いの気持ちがあれば良いのです。良いところは取り入れながら、赤ちゃんを迎えてあげたいですね。
腹帯ってどんなもの?
妊娠5ヶ月の妊婦さんが、戌の日に腹帯を巻きます。腹帯を巻くと姿勢を正し、お腹を冷えから守ります。腰痛や妊娠線を防ぐ効果もあります。腹帯は安産祈願のできる神社でお守りと一緒に頂いたり、妊婦さんの実家や子宝に恵まれた夫婦から贈ってもらうと縁起が良いとされています。
神社で頂く腹帯は「岩田帯」と言って岩のように頑丈な子になるようにと願って巻きます。正式な岩田帯は紅白の帯ですが、今は略式の白い帯が多いようです。市販の腹帯は下着メーカーのものが人気です。洗濯をするので数枚用意しておくと良いでしょう。
腹帯の種類
さらしタイプ | 通気性が良い腹帯です。神社で用意している岩田帯もこのタイプです。 |
コルセットタイプ | 腹巻のような腹帯で、つけ外しが簡単でトイレに行くのが楽です。 |
補助帯内臓タイプ | 下腹部をしっかり支えてくれて腰の負担を和らげます。つけ外しが簡単です。 |
サポートベルトタイプ | さらしタイプやコルセットタイプの上からつけます。新たに買わなくてはなりませんが、腰痛の人にはおすすめです。 |
ガードルタイプ | サポート力がしっかりしていて、よく動く人に向いています。夏は蒸れやすいです。 |
戌の日とは?
戌がたくさん子犬を産み、お産が軽いことから日本では戌の日に腹帯を巻く習慣があります。戌の日は、毎日の暦の中で干支が決まっていて、11番目にあたります。12日おきに戌の日があり、妊娠5ヶ月目の一番近い戌の日に安産を願って腹帯を巻きます。
腹帯の巻き方
- さらしを半分に折り、折り目が下にくるようにします。
- 5mくらいあるので、くるくるロール状に巻きます。
- 巻いたら、左手で押さえながらお腹を持ち上げるように1周巻きます。
- 巻き始めが斜めを向くように2周目も巻きます。
- 3周目から体の中央の位置で腹帯を裏返すように折り返しながら巻きます。
- 後は徐々上に向かうようにずらしながら巻いていき、安全ピンで留めるか、中に織り込んで固定します。
安産祈願ができる神社
安産祈願の仕方
神社などで戌の日カレンダーがあるので、日にちを確認します。神社によって、自分で用意した腹帯を受け付けてくれるところと受け付けてくれないところがあります。服装は正装が良いとされていますが、略装の人も多く、最低限のマナーがあれば、マタニティ服で大丈夫です。毎日受け付けている神社もあるので、無理をせず体調の良い日に行きましょう。
子安神社
安産祈願、縁結びなどで知られる子安神社は、1200年もの歴史を持つ神社です。7級式~1級式まで等級があり、いただく物も変わってきます。
水天宮
700年もの歴史のある水天宮は、安産祈願、子授け祈願として全国からたくさんの人が訪れます。鈴乃緒というさらしと小布という腹帯に縫い付けるお守りがあります。水の中にちぎって飲むお守りもあります。
中山寺
中山寺では、腹帯、お守りの他に、10日間祈祷したお札が送られます。直接お参りできない人のために、郵送も受け付けています。
塩竃神社
塩の作り方を伝えられた神社として有名で、潮の満ち干きが出産に関係していることから、安産祈願の神社になりました。
お礼参り
元気な赤ちゃんが生まれたら、お礼参りをしましょう。お守りやお札を返し、奉納金を納めます。
帯祝いいろいろ
現在は腹帯をしない人もいますし、安産祈願も多様化してきました。地域や家庭によって違いがあるようです。どんな方法でも心からお祝いしてあげると、赤ちゃんも喜びますよ!
- 紅白餅(帯祝い餅)や紅白の砂糖菓子を食べる
- 赤飯を炊く
- お食事会を開く
- さらしに「寿」と書く
- 境内の小石をお守りにする
- 親戚や近所にお餅を配る
- たくさんの人におなかをなでてもらう
- 男の子か女の子かを占う
使い終わった腹帯はどうするの?
代々受け継がれた腹帯は縁起が良いとされています。腹帯は産後も体を回復させるため、1ヶ月くらいはつけておいた方が良いとされています。使い終わった腹帯は、次の子まで取っておくか、姉妹やお子さんに取っておくと良いでしょう。さらしタイプは赤ちゃんの産着にもなります。腹帯はおめでたい物とされているので、粗末な扱いをしないようにしてくださいね。